この記事では転職活動に欠かせないレジュメの書き方についてお伝えします。
レジュメとは、一般的に履歴書と職務経歴書の2つの資料を指しますが、今回は職務経歴書の書き方についてアドバイスさせていただきます。
レジュメにおいて重要なのは職務経歴書です。職務経歴書でほぼ書類選考の評価が決まります。
なかには書類選考は確認程度で、面接で合否を決める企業もありますが、特に金融業界では書類選考も厳しく行っており、とある企業では書類選考通過率は10~15%と聞いています。
職務経歴書は単なる“職務経歴の説明書ではありません。“ご自身を企業へ売り込むプレゼン資料”だと考えて、真剣に作成してみてください。
職務経歴書を1回の修正もなくOKとなる方はほぼいません。
資料として最低限書けている、という意味ではOKでも、しっかり評価され加点を取る資料という意味では物足りないケースがほとんどです。
以下に職務経歴書の書き方5つのポイントを記載しますので、ぜひチェックしてみてください。
① 職務経歴書は「説明書」ではなく「プレゼン資料」
この記事の冒頭でも少し触れていますが、まずは「職務経歴書とは何か」という点についてお話したいと思います。
新卒の就職活動の際に職務経歴書を書いた人はいないと思いますが、職務経歴書は中途採用の選考に必要な資料です。
社会人になってから、どこで、何をしてきたのか。そしてその経験を通してどんなスキルを身に付けたのか。そのスキルを今後どのように活かしていきたいのかを伝えるのが職務経歴書です。
ですから学生には書けない資料であり、ビジネスパーソンとしての経験や能力をアピールするプレゼン資料ということになるのです。
このような前提を理解していれば、おのずと記載するべき内容が分かると思います。厳しい言い方をすると、学生や新入社員でも作れそうな資料ではダメなのです。
自分自身を企業へ売り込むためのプレゼン資料は作成するのも大変です(仕事でプレゼン資料を作成した経験のある方なら、何度も上司にダメ出しされやり直しをした苦い経験があると思います)
そのため、現職で業務を続けながら職務経歴書を作成するには負荷がかかります。業務後や休日に時間を取って考え、作成しなくてはなりません。
だからこそ、職務経歴書を作っていると「本当にそこまでして転職活動したいのか?」と自問自答することにもなると思います。
自分と向き合いながら、自己分析をしながら、これまでのキャリアを振り返りながら作成するのが、職務経歴書なのです。
② 職務経歴書の冒頭部分【職務要約】はきちんと「要約」になっているか
「要約」というくらいなので、ご自身の職歴を端的にわかりやすく記載することが求められるのですが、つい長々と記載してしまいがちで、私は半数以上の方に修正依頼をしています。
何度か転職をしていて、経験社数の多い方であれば少々長くなっても仕方がないですが、基本的には5行前後が適正です。
職務要約の記載ポイントは「どこで、何をしてきたのか」と「主にどこに強みがあるのか」が一目でわかるかどうかです。
そして、職務要約以下の内容を書類選考者がもっと読みたいと思うか、職務要約で「おっ!」と思う何かがあるか、が大事になります。
そのような視点で、自分自身でも職務要約をチェックしてみてください。
また、面接で自己紹介をする際もこの職務要約をベースに話すことになります。
第一印象はとても大事ですので、冒頭の職務要約の内容はしっかり考えてくださいね。
③【職務経歴】が経歴の説明になっているだけではダメ
「どういうこと?」「なんで?」と思う方もいるかもしれません。
職務経歴書の職務経歴欄というのは、読んで字のごとく“職務経歴を説明する箇所”です。
ですが、【いつ、どこで、何をしていたか】だけを説明しても、書類選考者は「はい、よくわかりました」という感想にしかなりません。では、どうしたらいいのでしょうか?
答えは【いつ、どこで、何を、どのように】やってきたのかを書くことが重要です。
私はよく求職者の方に「5W1Hを意識して書きましょう」とお伝えしています。
5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の英単語の頭文字をとった言葉で、情報をこの要素で整理することで、正確に伝わりやすくする方法のことです。
職務経歴を説明する際、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」までは自然と書けている方が多いのですが、1番大切な「How(どのように)」を書けていない方が多いです。
なぜ「How(どのように)」が1番大切かというと、その方が仕事にどのように取り組んだのか、どのように工夫したのかが最大の評価ポイントだからです。
中途採用ではこれを“汎用性”と言ったりするのですが、求職者がこれまで経験してきたことに汎用性があるのか?
=現職に転職後、即戦力として活かせるスキル・経験を持っているか)を企業は判断したいのです。
職務経歴欄に記載する際には【具体的な取り組み】や【工夫点】【ポイント】などと強調して、アピールすべきプロジェクトや営業プロセスについて具体的に記載することをオススメします。
④ 活かせる経験・スキル・知識欄は自分のラベリング(売りをアピール)
そもそも、活かせる経験・スキル・知識欄 は書かなくても問題はありません。
自己PRの欄にアピール内容を記載している方もいます。
しかし、活かせる経験・スキル・知識欄=ラベリング(自身の売りをアピールする)の効果があるので、あえて別枠で記載することをオススメします。
書類選考者がパッと見て、「この方はこういう強み(経験・スキル)があるのね」とわかりやすく記載した方が印象にも残ります。
ここで大事なことは、ラベリングした強みが応募しているポジションとマッチしているかです。
例えば、企画職に応募しているのに営業力をアピールしても意味がありません。
応募ポジションで求められる経験やスキルを持っていることを、端的に明瞭にアピールすることを意識して記載してください。
⑤自己PR欄には想いをぶつけて
実は、自己PR欄も書いていなくてもNGではありません。
ですが、私はいつも以下のような点を記載するようにアドバイスしています。
・仕事をする時に大事にしていること
・今後のキャリアについての希望
・今回の転職理由や志望動機など
これらは求職者の意向やお人柄を伝えるのに有効なので、是非本音で、熱く書いていただけたらと思っています。
同じようなキャリアの候補者が複数名応募してきている時に、書類選考者が「この方には会ってみたいな」と思うかどうか、そのような視点でプレゼンをして、口説き落としていただきたいです。
担当した求職者の方で、これまで書類選考で何社も不合格になっていたのに、上記の5つのポイントを意識して書き直したら書類選考に通過した、という方もたくさんいます!
自分の魅力を100%伝えられるよう、職務経歴書は丁寧に書いていただきたいです。